お風呂で例えると、とってもわかりやすい!
なぜZOOやラバーダムを使う事で、歯の治療の成績が飛躍的に良くなるの?
それは「お口の中をいかに乾燥させるか」が、治療の質を大きく左右するからです。
…と言われてもピンとこないかもしれませんので、今回は「お風呂の壁にシールを貼る」という身近な例でご説明します。
① コットンロールでの治療(一般的な方法)

これは、湿度100%の口の中で治療している状態。
お風呂に入った直後の“湯気で水滴だらけの壁”に、強力なシールを貼ってみると……?
最初は貼れても、しばらくするとペロンとはがれてしまいますよね。
② ラバーダムを使った治療

次はお風呂にフタをして、しっかり換気して、壁を乾燥させた状態を想像してください。
乾いた壁にシールを貼ると、ピッタリくっついてなかなかはがれません!
これがラバーダムによる「しっかり乾燥した環境での治療」のイメージです。
③ ZOOによる治療

ZOOはさらに一歩進んでいます。
お風呂の中に強力な吸引装置を入れて、外の乾いた空気をどんどん吸い込むような仕組み。
お風呂の中なのに、壁がしっかり乾いてくる……そんなイメージです。
実はこの「壁が乾くのか?」を本当に検証した実験があります。
松本歯科大学の亀山教授が行い、アメリカ歯科医師会雑誌(JADA)にも掲載された、れっきとした研究データです。
このグラフを見てください

青い矢印の「防湿撤去」までは、湿度をコントロールしている状態。
ZOOを使った場合(紫色の線)は、なんとラバーダム(赤色の線)と同じくらい湿度が下がっているのがわかります。
一方で、防湿していない状態(緑色の線)はずっと湿度100%のままです。
ZOOは「便利な補助器具」と思われがちですが、
実は 使うだけで、すべてのケースにおいてラバーダムレベルの防湿環境を自動的に整えてくれる、非常に画期的なツールです。
下顎の治療はもちろんのこと、上顎の治療においてもZOOを使うことで、しっかりとした乾燥環境の中で確実な治療が可能になります。
ラバーダムと同等の治療環境を、簡単・確実に再現できること。
それがZOOの本当のすごさなのです。
ぜひすべての症例で、ZOOを「治療環境の基盤」としてご活用ください。
無理な姿勢から卒業。ZOOがサポートする理想の診療姿勢
身体にかかる負担を軽減し、自然で快適な姿勢をサポートするZOO。
使用前と使用後の違いを、イラストでわかりやすくご紹介します。

ZOO未使用の時

ZOOを使用した時
ZOOを使用していない場合、左手でバキュームを操作する必要があるため、左腕が持ち上がり、無意識のうちに右肩が下がった不自然な姿勢になります。
この状態が続くと、肩や背中、腰に負担がかかり、身体に疲労が蓄積しやすくなります。
一方、ZOOを使用すれば、バキューム操作をサポートしてくれるため、左手が自由になります。
その結果、両肩の高さが整い、背骨もまっすぐに保たれる自然な姿勢での診療が可能になります。
身体への負担が軽減されることで、長時間の診療も無理なく快適に行えるようになります。

ZOO未使用の時

ZOOを使用した時
ZOOを使用していない場合、左手でバキュームを支える必要があるため、
左腕を持ち上げたままの状態を維持しなければなりません。
その結果、視野を確保するために身体を前方にかがめて、
無理な姿勢でのぞき込むような体勢になってしまいます。
この前かがみの姿勢が続くと、首・背中・腰に大きな負担がかかり、
長時間の診療で疲労や痛みの原因となることがあります。
一方、ZOOを使用することで、左手を自由に保つことができるため、
身体を過度に前傾させる必要がなくなります。
自然な体勢を維持したまま診療ができるため、
腰や背中への負担が大きく軽減され、快適な作業姿勢が保てます。

ZOO未使用の時

ZOOを使用した時
前から見た姿勢では、左手でバキュームを持ち続けるために、
自然と背中が丸くなり、猫背の姿勢になってしまいます。
この不自然な体勢のまま、1日中の業務を続けることが日常になっていませんか?
この状態が何年も続くと、慢性的な腰痛や肩こりだけでなく、
腕のだるさや痛み、しびれ、首のこりなど、さまざまな不調の原因となっていきます。
ZOOを使えば、左手を自由に保つことができるため、
無理な体勢を取らずに、リラックスした姿勢で診療を行うことができます。
身体への負担が軽くなることで、
歯科衛生士としての仕事を無理なく、そして長く続けていけるようになります。